メイタタのしもべ日記

タンザニアに住むマサイの夫と遠距離中の看護師

国枝慎吾さんの試合を見た話

Facebookをたまに覗くと、「10年前の今日」の写真が出てくる。

 

10年前の今日、2013年3月3日はオーストラリアでワーホリの真っ只中だった。

オーストラリアにいる間に、幾つか見たいものがあった。その一つが、全豪オープン

テニスはあまり見たことがなかったが、せっかくオーストラリアに居るんだから一流選手の闘いを見てみようと言うことでメルボルンまで足を運んだ。

 

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テニス部だった友だちと現地で合流して、いろいろな試合を見ていたところ、車いすテニスの男子決勝戦が始まった。

そこで私は初めて国枝慎吾さんの試合を見ることとなった。当時、彼の名前は知っていて、とにかく強いというイメージしかないまま試合が始まった。

 

ルールはツーバウンドでの返球が認められている以外は一般のテニスの競技ルールのまま行われるのが車いすテニス。

国枝さんは終始試合の主導権をにぎり、あの広いコートを縦横無尽に駆け回っていた。

驚くべきは車いすのコントロール力とワンバウンドで返す速さ。ツーバウンドまで認められているのに、ワンバウンドでどんどん返球していき相手を左右に揺さぶって、その正確なコントロール力と集中力にびっくりしているうちに試合が終わった。あっという間に勝敗が決まり、彼が優勝カップを持つ姿を見たのが10年前。

 

忘れられない試合だった。

彼の見事な技術にすっかり引き込まれて、試合を見た後は「私もテニスやってみようかな」と思わせるくらいにテニスに興味がわいた。

プレイで人を惹きつける、これはとても凄い事だと思う。この後、肘の故障などで苦しい時期もあったが、それすら乗り越えて色んな景色を見せてくれた。

 

今日、国枝さんに国民栄誉賞の授与が決まった。彼が私たちに魅せてくれた車いすテニス、今後ももっと広く知られますように。